作業が始まって一時間。 私はプリントを仕分けていた。 その時だった。 「痛っ」 小さな声が聞こえる。 顔を上げる。 伊織だった。 紙で指を切ったらしい。 「大丈夫?」 私は慌てて立ち上がる。 伊織は苦笑した。 「平気平気」 でも。 指先から血が滲んでいた。