架空の怪異

母校に伝わる学校の八不思議。その八番目を創作したのは私だ。ほんの出来心だった。噂は秒で広まった。あるとき私は課題提出のために居残っていた美術室で、教室の隅に立てかけられている、名も知れぬ女子生徒の肖像画の視線に気づいてしまった。いつもうつむいているはずの顔が確かにこちらを向いている。彼女はやがてケント紙の中から這い出てくることだろう。自分自身が創作した怪異とまったく同じ状況に今、私は直面している。