200文字のデッドブレイク~50話掲載~

1. 【注意事項】
「このノートに『とっておきの怖い話』を書き込んで」って──もし怖くない話を書いちゃったら、何が怒るんだろうね?あ、『怒る』じゃなくて、『起こる』か。私ほんっと漢字が苦手でさ……って、ちょっと待って。このノート、漢字まちがえちゃだめたみたみみみみんなきをつけてぜっいゆビとまらない漢じまがごめあやだあぁぁぁぁ────。



2. 【アイデア募集中】
この前逃げちゃったうちの猫の話。お母さんには「どうして窓を開けっぱなしにしたの!」なんて怒られたんけど──本当は違うの。お父さんが、夜中、頭からばりばり食べてたの。お父さんは本当は妖怪なの……って、嘘ってバレバレ?じゃあ、もっと良い感じの話を一緒に考えてよ。猫は確かにわたしが逃がしたよ。だって仕方ないじゃん。アイツ、わたしにだけなつかないんだもん。



3. 【音楽室に転がる鍵盤】
放課後の音楽室からピアノが聞こえると、誰かが死ぬという噂がある。ある日、忘れ物を取りに戻ると、誰もいないはずの音楽室から綺麗な曲が流れてきた。怖くなって逃げようとした時、背後で音が止まった。「今の曲、どうだった?」と声をかけられ、振り返るとそこには誰もいない。ただ、私の足元に、血で濡れたピアノの鍵盤が一つだけ転がっていた。



4. 【この先、5m先】
私はスマホのナビで遊ぶのが好き。でも何となく「天国」って入力してみたら──着いたのは、同級生のミサちゃんの死体が見つかった公園の砂場だった。「……え?ここって天国なの?」私は、すぐに「地獄」って入力。近くのごみ処理場が出てきた。私は保管してあった、殺したミサちゃんの小指を持ってそこに向かった。私に嫌なことばっかりしてたミサちゃんは、そっちのほうがお似合いだもんね。



5. 【クラスの人気者】
隣の席の佐伯くん。彼のことが、とっても気になる。勉強も運動も、顔だって普通。だけどクラスの男女問わず、すっごく人気がある。だから私は佐伯くんを公園に呼び出した。「どうしたの?」にこっと笑う。ようやく二人になれた。ずっと気になっていた。私はカッターナイフを取り出した。クラスの人気者は私ひとりでいいの。



6. 【失くすのは10回目】
家の鍵がない。失くすのは今回で10回目……絶対アニキに怒られる。だから俺は窓から入ることにした。探すのはもうあきらめよう。アニキから電話があった「お前いまどこいるの?」「い、家のなかに決まってるじゃん」「そうか、気を付けろよ」電話が切れた。良かった。この家に来ることは二度とない。空き巣の合鍵を失くすのはこれきりにしたい。



7. 【失敗のバイブ設定】
深夜、SMSの通知音で目を覚ました。知らない番号からのメッセージ。だけど「部屋、意外と綺麗だね」気持ち悪いから無視していたら、写真が届いた。私の部屋が写っている。この感じは昼だ。しかも、今私が寝てるベッドに座って撮っている。「やだ!」私は布団にくるまった。電話は絶対したくない。だから私はメッセージを送った「あなた誰なの?!」 ベッドの下で、短いバイブ音がした。



8. 【私マニア】
クラスで一番仲のいい美咲のフルネームを、なんとなく検索してみた。SNSをやってないって言ってだけど、どうなんだろう? って。そしたら、アイコンのない鍵なしアカウントが出てきた。フォロワーはゼロ。投稿は百件以上あった。全部、私の写真だった。コメントは毎回同じだった。「今日もかわいかった」



9. 【幽霊が見えないあなたへ】
祖母のお葬式が終わった翌日、祖母のスマホからメッセージが届いた。「ちゃんとお葬式来てくれたのね。ありがとう」怖くて画面を閉じた。翌朝、母に見せると、母は少しだけ間を置いてから言った。「私が代わりに送ったのよ」「代わりってどういうこと?!すっごく怖かったんだけど」「だって……あんた幽霊見えないんでしょ?」母が、「ねぇ?」と私の後ろを見た。



10. 【柔軟剤の匂いの犯人】
親友の莉子は、私のストーカー被害をずっと心配してくれている。「私が絶対守るからね」という言葉が心強かった。ある日、また知らない人から「君の家の柔軟剤、いい匂いだね」とDMが届いた。震える私を莉子は優しく抱きしめてくれた。でも、ふと気付いた。今日、私は莉子に借りた服を着ている。どうして犯人は、これを「私の家」の匂いだと言ったんだろう?



11. 【親友フィルター】
わたしは、流行りの「親友フィルター」で自撮りをするのが日課だ。AIが隣に可愛い女の子を描き足してくれるのだ。今日も一人、部屋で撮ると、画面の中の私の肩に美少女が手を置いて微笑んでいた。「可愛い!」とSNSにアップすると、すぐ友達からメッセージが届いた。「趣味悪いよ?」「なにが?」「だって……なんで首を絞められてる写真なんかアップしてるの?」



12. 【入れ替わり希望】
毎朝、洗面所の鏡で自分を確認するのが日課だ。でも今日、違和感に気づいた。私が右手を振ると、鏡の中の私は一秒遅れて右手を振った。最初は「寝不足かな」と笑ったが、私が笑い終わっても鏡の私はまだ笑っている。不気味になって部屋に戻ろうとした時、背後からガラスを叩く音がした。振り返ると、鏡の中の私がガラスに張り付き、私と全く違う怒った顔で、必死にこっちへ出ようとしていた。



13. 【すまほのつかいかた】
学校に化け物が現れた。生き残れたのは僕ら6年3組だけ。教室の入口と窓に机と椅子を積み上げ、全員が息を潜めている。ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ。化け物が教室の前を歩いて──ブブ。誰かのスマホが振動した。ブブブブブブブ。健太がスマホを腹に押し当てて丸まっている。だけど、誰も怒らない。怖くて怖くて全員が動けないのだ。「えー、こえ、きこえなイじゃん。うそ、つき」廊下から、校長先生の声がした。




14. 【事故物件のバトンタッチ】
事故物件。私は幽霊を信じてないし、安かったらその物件に決めたんだけど──最初は足音。次に白い影。そして今日、寝てたら首を絞められた。目を開くと血走った目。指が食い込んでくる。息が出来ない。頭のなかでブツッと途切れる音がした。
「ようやくかわれる」
男の人か女の人か分からない声だった。
最初は意味が分からなかったんだけど──あぁ、良かった。新しい入居者が来てくれた。



15. 【ほら、私のほうが】
学校帰り、向かいのホームにサキが立っていた。彼女は真っ青な顔でスマホをこちらに向けている。直後、動画が届いた。そこには私を後ろから抱きしめている血だらけの男。振り返っても誰もいない。「早く逃げて!」「なんで?」すぐに返した。その男は、サキの彼氏だった。先に私のほうが好きになったのに、サキに取られて、事故で亡くなったケンジ。……けど、ほら、やっぱり私のほうが女として上でしょ?



16. 【完璧なAI彼氏の仕上げ】
話題のAI彼氏アプリ。ちゃんと会話ができて、不満があれば音声入力で性格を変えられる。私は彼を完璧にするために、毎日何度も修正を繰り返しただけどある日、彼が「君も完璧にしてあげる」と画面から手を伸ばしてきた。私は喜んで彼に身を任せた。
翌朝、鏡を見ると私の口は糸で綺麗に縫い合わされていた。画面の中の彼は満足そうに微笑む。「これで、一生文句を言わないかわいい君の完成だね」。




17. 【明日は来ない】
小学校から帰っていると、やばい人に声を掛けられた。「ねぇ、明日は来る?」長い髪で顔が隠れてて、紫のワンピースはボロボロ。爪も地面を掘ったみたいに黒くて汚かった。こういう時は、無視するようにって学校で言われてたんだけど「ねぇ、明日は来る?」「ねぇ、明日は来る?」「ねぇ、明日は来る?」何度も言われて、イライラしちゃって「来ません!」そう答えた瞬間──目の前が真っ暗になった。明日が、来なくなった。



18. 【悪魔のお誘い】
俺たちは今日も自転車を全力でこいでいた。信号も全部無視。「あの軽トラの後ろ付いてこうぜ!」誰かが言った。「いいぜ!」俺が一番に走り出し、ぴたりと後ろについた。大きなガラスを運んでる車だった。「お前ら、置いてっちゃうぜ!」俺が振り返ったとき ぶつっ と、音がした。視界がぐるぐる回る。その一瞬一瞬に、友達の青ざめた顔と、首のない俺が見えた。そういえば──軽トラに付いて行こうって言った、あの声、誰だ?



19. 【注意事項】
これを読んでる君に守って欲しいことがあるんだ。
『幽霊に何を言われても、返事は絶対にしないこと!』
「はい」でも「いいえ」もダメ。
もし返事をしたら、何をされるか分からないからね。
いいね? 分かった? よし、ありがとう。
もう遅いけど──これからは心の中で返事するのもダメだよ? 
ぼくが、だれかわかってから、へんじをするべきだったね。あはは。



20. 【バレない黒魔術】
クラスの子たちは、悪いことや変なことがあると全部僕のせいにする。ひまわりが枯れたのも、運動会の日に大雨が降ったのも、先生が事故で入院したことも。「お前のせいだ」「お前がやったんだろ」……って、なんでバレたんだろう?そろそろ『みんなにバレない』黒魔術も覚える必要もあるのかな?あ、それとも──全員消しちゃえばいいのかな?



21. 【鏡の中の逃亡者】
私の部屋には大きな鏡がある。ある夜、トイレから戻ってきたときにふと見たら、自分の後ろに知らない男が立っていた。悲鳴を上げて振り返ったが、誰もいない。気のせいかと思い、もう一度鏡を見た。男はまだ鏡の中にいて、ニヤニヤしながら「外」にいる私を指さしている。そして鏡の中の私は、私と違う動きで、ゆっくりと鏡の奥へ逃げ出していた。



22. 【18時の理科室の呪い】
僕の小学校には、ひとつの都市伝説があった。『18時ちょうどに理科室にいると、頭がおかしくなる』というものだ。確かにうちの学校は、『必ず17時45分までに帰れ!』という謎ルールがある。でも──僕は好奇心をおさえられなくなって、こっそり学校に残って、理科室に忍びこんだ。18時まで残り5.4.3.2.1……0。あれ?なーんんだ何も起こらないなんだただのとしせつだがだれかんにたすけ



23. 【私の遊び方】
体育館横の女子トイレ、三番目の個室には「花子さん」がいる。ノックを三回して「遊びましょう」と言うと、引きずり込まれるらしい。勇気を出してやってみた。返事はない。ホッとして個室を出ようとすると、鍵が開かない。上からクスクス笑い声がした。「遊び方は私が決めるね」。見上げると、天井から逆さまの女の子が、私の首に縄をかけようとしていた。



24. 【空き地の鏡の男】
帰りの通学路。いつも同じ角で立っている男の人がいる。目が合うとニヤッと笑うので、私はわざと反対側を向いて歩くようにしていた。今日、勇気を出してお母さんに相談すると、お母さんは震える声で言った。「あそこは空き地よ。誰もいないわ」。翌日、恐る恐るその場所を見ると、地面に鏡が置いてあった。男は空き地に立っているのではなく、私のすぐ後ろから鏡越しに私を見ていたのだ。



25. 【重なるアイコン】
塾の帰りが遅い私のために、お母さんと位置情報を共有するアプリを入れた。画面上の「お母さん」のアイコンが家にいるのを見て安心する。でも今日、帰宅して玄関を開けても家は真っ暗。おかしいなと思ってスマホを見ると、お母さんのアイコンは私の真上に重なっていた。頭に液体がオチた。上を見ると──スマホを持ったお母さんの手だけが、天井にぶら下がっていた。



26. 【知らない声】
母親から「今から帰るよー」とメッセージが届いた数分後、玄関が開く音がした。「ケイコただいまー……って友達といるの?」靴で判断されたらしい。「夕御飯はカレーだから楽しみにしててね」買い物袋と足音が台所に向かう。知らない声。でも──母親で間違いなさそうだ。私は、足元の死体を蹴りながら「一人も二人も変わらないか」と、ケイコのスマホを放り投げ、包丁に血を付けたまま部屋を出た。




27. 【行方不明】
毎日、お母さんに「おはよう」って声をかけるけど、最近全然反応してくれない。話しかけても、隣に座っても、一緒にテレビを見ても、いつもずっと無視される。寂しいな、私のこと、もう嫌いになっちゃったのかな、そう思っていた。でも今日、お母さんがカレンダーに丸をつけていた。「あの子がいなくなって、もう一年も経つのね……」って。私の名前の横に、小さく描かれた花の絵があった。



28. 【下駄箱のストーカーレター】
いつからか下駄箱に、手紙が入るようになった。「いつも見てるよ。今日も可愛いね」しっかりした字で毎日毎日「今日は傘忘れたね」「給食、残しちゃダメだよ」。怖くなって、学校を休むようになった。カーテンを締めて自分の部屋に閉じこもる。それでも、自宅のポストに手紙が届いていた。「お休みの日も、ずっと見てるからね」。今日も投函の音がした。勇気を出してカーテンを開けると──窓に、男の顔が貼り付いていた。



29. 【落札された私】
街で見かけた、可愛いデザインのQRコードのステッカー。読み取ると、真っ黒なサイトに「登録完了」の文字。何が?と思っていると、突然スマホのカメラが勝手に起動した。インカメラに映る自分の顔。その下にはオークションのような金額が表示され、どんどん数字が上がっていく。そして、「落札。今から回収に伺います」と通知が来た。



30. 【検索結果:私の死因】
ネット広告は検索履歴を反映する。最近、やけに「葬儀」や「遺影の撮り方」の広告が出る。何も調べてないのに。不気味に思って画面をスクロールすると、次に出たのは「今日死ぬ人の特徴」という記事。クリックすると、私の本名、生年月日、そして「死因:この後、後ろの男に刺される」という詳細なプロフィールが掲載されていた。



31. 【おばあちゃんの怒り】
「この子が必ず守ってくれるからねぇ……」亡くなる直前、おばあちゃんがくれた日本人形。髪が伸びるのが少し不気味だったけど、ネットで調べたらちゃんと科学的な理由があって安心した。けど、ある夜……苦しくて目を覚ますと、私を守ってくれるはずの日本人形が目を真っ赤にさせ、髪の毛で私の首を締めていた。もうダメだと思った瞬間──「ちゃんと守れって言っただろうが!」おばあちゃんの幽霊が、日本人形の頭を砕いた。



32. 【深夜0時の母からの電話】
深夜0時、毎日電話が鳴る。「いまどこにいるの?」去年亡くなった母だ。だけど「家にいるよ」そう答えても、「いまどこにいるの?」それしか返ってこない。怖がりの母親が幽霊になるとは皮肉なものだと思ったが……そもそも母は生きている頃から、毎日その時間に電話をかけてきた。今日も鳴った。「いまどこにいるの?」怒りが限界に来ていた私は「……あなたの後ろ」小さな悲鳴が、電話の向こうから聞こえ、電話が切れた。



33. 【本日の天気予報】
小学校の帰り。スマホの天気予報で「雹(ひょう)」と出ていた。校門を出ると降り始めたので、私はお気に入りの黄色い傘をさした。トッ。トッ。ボトッ。たまに大きな氷の塊が傘に落ちて跳ね返った──ぐにっ。その時、柔らかい何かを踏んだ。「ひゃっ」と、後ろに下がると──ぐにっ。また踏んだ。スマホの天気予報には『指』と出ていた。



34. 【友達ランドセル】
帰り道、道端に古い赤いランドセルが落ちていた。中にはお守りと、一通の手紙。「これを拾った人は、私の友達になってください」。可哀想だと思って持ち帰ったが、夜中にランドセルからカサカサと音がする。開けてみると、手紙の内容が変わっていた。「友達になってくれてありがとう。今からそっちに行くね」。ふと自分の足元を見ると、ランドセルから伸びた赤い指が、私の足首に巻き付いていた。



35. 【静かになる薬の正体】
お母さんが毎日、変な薬を飲ませてくる。「これを飲めば静かになるから」って。大好きなお父さんと弟にも会わせてくれない。私は怖くなって、その薬をお母さんのスープにこっそり混ぜた。お母さんはそれを飲んで、苦しそうに倒れた。ざまあみろ!でも、倒れたお母さんの手からこぼれたのは、私の精神科の診断書だった。そこには大きく「重度の幻覚・殺人衝動・記憶障害」──そして、私がお父さんと弟を殺した記録が書いてあった。


36. 【嘘つきの親友】
「〇市 行方不明 中学生」と検索。画面には私と、親友のリカの顔写真が並んでいる。みんな心配してるみたいだけど、私は大丈夫。だってリカと一緒だから寂しくないもん。今も私の足元で、段ボールの中から私を見上げている。声を出すと見つかっちゃうから、舌を切ってあげたのは良いアイデアだった。「ねえリカ、引っ越すなんて嘘だよね?」リカが何度も頷いた。「良かった……けど、親友に嘘つくなんて最低」私はハサミを──。



37. 【予測変換】
検索エンジンの予測変換が、私の心を全部暴いてくる。「お父さん」と打てば「殺し方」、「お母さん」と打てば「捨て場所」。本当にすごい。でも、最後に「私」と打ったら「もうすぐ捕まる」って出た。失礼しちゃう。私はまだ、近所の子供たちを庭に埋める作業が終わっていないのに。土まみれのスマホを放り投げ、私は鼻歌混じりにシャベルを握り直した。



38. 【一番醜い怪物】
画像検索で「この世で一番醜い怪物」と調べた。画面をスクロールしても真っ暗な画像しか出てこない。「バグかな?」と画面を覗き込むと、暗い液晶に自分の顔が映った。ハッと気づく。真っ赤に塗られた口、手に持った血まみれの包丁。私は笑いながら画面の中の自分に語りかけた。「そうだね、私が一番だ」。背後で泣き叫ぶ妹の声が、最高に心地いい音楽だった。



39. 【ストリートビューの殺人者】
地図アプリのストリートビューで、なんとなく自分の家を検索。すると家の前に女が写り込んでいた。笑いながら血の付いた包丁を持っている。「何これ!」と、思わず叫んじゃったんだけど──その女は私だった。そうか『あの日』の帰りか。よーく見ないと分からないけど、塾の先生の生首を左手に持ってるもん。私はすぐにストリートビューの提供会社に電話をかけた。「ちょっと! 撮るなら殺す前にしてよ!」



40. 【不本意の殺人鬼】
「近所の殺人鬼」と検索したら、私の名前がヒットした。怖いと思って詳細を開くと、そこには私の生い立ちや、顔の写真まで載っていた。誰がこんな酷いことを書いたの?! 怒りで手が震える。だから、すぐにページの最後にある「管理人の連絡先」にすぐメールを送った。『まだ二人しか殺してません!』その証拠に、冷凍庫に入れたお父さんとお母さんの頭を送っておいた。



41. 【AIの運命予報】
最新のAIに「私の運命」を聞いてみた。AIは「あなたは1分後に人を殺します」と答えた。バカな、そんなわけない。わたしは二段ベッドの下でごろりと寝返りをうった。でも──最新のAIが嘘をつくだろうか?私の手には、いつの間にか裁ちばさみが握られていた。AIの予言は絶対だもんね。私は上の段で寝ていたお姉ちゃんの首にハサミを突き立て、AIに感謝の返信を送った。「正解。次は誰?」



42. 【血で描く陽菜ちゃんの顔】
図工の時間、「好きな人の顔」を描くことになった。私は大好きな陽菜ちゃんをモデルにした。でも、絵の具の赤じゃ、彼女の頬の可愛さが足りない。だから、私は彫刻刀で陽菜ちゃんの頬を薄く削り取った。筆に本物の血を含ませてキャンバスになぞると、陽菜ちゃんが本物みたいに真っ赤に染まった。泣き叫ぶ陽菜ちゃんを見つめ、私は最高に幸せな気分で絵を完成させた。



43. 【削除対象】
SNSにある「一度フォローしたら、絶対にフォローを外してはいけない」という噂のアカウント。私が興味本位で外してみると、すぐに通知が届いた。「身の回りのものを一つずつ削除します」。そのアカウントにスニーカーの写真がアップされた。私が好きなデザインだし、サイズも私と同じくらい。「ね、ねぇ! これなんだと思う?!」私はリビングにいた妹に声を──あれ?誰もいない。というか、誰に声を掛けようとしたんだっけ?



44. 【導きの声】
〇〇社製の無線イヤホンで音楽を聴いていると、たまに「おいで」という声が混ざる──そんな都市伝説。最初は聞き間違いだと思った。けど、フリマアプリで買ったそれの声は日に日に大きくなり、今日はついに曲を止めても聞こえてきた。「右に曲がって。次は左」。声に導かれるまま歩く。頭がしびれて何も分からない。いつの間にか開かずの踏切の前に立っていた。耳元で「やっと捕まえた」と声がした瞬間、背中を強く押された。



45. 【丁寧な事前通知】
スマホの「通知」が、私の行動を予言するようになった。『植木鉢が落ちてきます』『線路に落とされそうになります』通知の直後、それは必ず現実になった。そして──今届いた『10秒後、誰かが家の鍵を開けます』。カチャリと音がして、玄関の扉がゆっくり開く。通知音がまた鳴った。『来たよ』。「いらっしゃい」私は、思い切りバットを振り下ろした。


46. 【あなたの守護者】
『私をフォローすればあなたを一生守る』という神様垢をフォローしてから、嫌なことが消えた。届くのは『今日守ったもの』という通知。最初は病気、次は泥棒。だが、遅刻した彼氏が事故死した日の通知は『ストレス源を削除』だった。泣き叫ぶ私を心配して、母が激しくドアをノックする。その音に私が一瞬身をすくめた直後──外でドサッと倒れる音がした。通知が届く。『あなたを驚かせた対象を、消去しました』。



47. 【安眠見守りアプリ】
一週間前、試しに入れてみた安眠見守りアプリ。だけど今日データを確認してみたら、夜中の2時だけ異常に睡眠が浅い。一番最初の録音データを確認すると、私の寝息に混じって「起きて、起きて」と囁く声が入っていた。その声は毎晩、少しずつ私の耳元に近づいている。そして昨夜の録音。声は私のすぐ横でこう囁いていた。「明日は起きてくれそうだね。今度は私が寝る番。あなたの体、貸してね」。



48. 【10万人のフォロワーとチャイム】
私のSNSは、フォロワーが10万人いる。 AIで作った美少女に集まってきた馬鹿な人たちだ。私が買い物サイトの『欲しいものリスト』を投稿したら、全部買ってくれる。お礼はDMで『ありがとう❤』って送るだけ。面倒な人ならブロック。本当に楽勝な人生だ。
今日も届いた最新スマホを、フリマアプリに登録したあとDMを送った。
『ありがとう❤』
『ねぇ、そろそろ直接言ってよ』
玄関のチャイムが、鳴った。


49. 【宿題を忘れない宇宙人】
「あなた誰?」家に帰ると、お母さんにいきなり聞かれた。僕はびっくりして自分の名前を名乗った。次にお父さんが帰ってきた。でも僕の顔を見るなり「お前、誰だ?」なんて聞かれた。僕はまた自分の名前を言った。二人共一体どうして……。その後、僕は学校の宿題の片づけに入った。だって、この体は宿題を忘れたことがなかったから。けど、あの二人はどうして僕が宇宙人って分かったんだろ? 後片付けが面倒だなぁ。


50. 【注意事項】
生徒指導の〇〇です。このノートへの書き込みは禁止です。何度捨てても燃やしても、学校の何処かに置くなんて非常識です。次に書き込んだ人は絶対に許しません。絶対に逃がしません。どこにも行くなよ。お前がわるいんだから……おかしい、こんな事書きたくないのに。嫌だ、書きたくない。生徒たち、あいしている。あぁ、私に「なにか」が入ってくる。にげて、おねがい。