去年のクリスマス。
屋敷の庭で撮った写真だった。
中央で笑う六花。
その後ろで不機嫌そうな玲央様。
六花を抱き締めている紫苑様。
そして端の方に自分。
何度見たか分からない写真だ。
優斗は苦笑する。
我ながら重症だと思う。
しかし。
今の悩みはそれだけではなかった。
問題は道明寺家だ。
道明寺翼。
道明寺蓮。
道明寺碧。
三人とも財閥御曹司。
容姿端麗。
頭脳明晰。
将来有望。
まさしく政略結婚の相手として理想的な存在だ。
特に蓮。
女に人気だという話は優斗も聞いている。
雑誌にも載っていた。
SNSでも話題になっていた。
六花が見たらどう思うだろう。
優しい言葉を掛けられたら。
一緒に過ごす時間が増えたら。
もし。
本当に恋をしてしまったら。
優斗は目を閉じた。
胸の奥が痛む。
六花が誰かと結婚する未来は覚悟している。
それはずっと前から分かっていた。
けれど。
分かっていることと。
受け入れられることは別だ。
ましてや。
六花自身がその相手を好きになってしまったら。
きっと笑顔で祝福しなければならない。
執事として。
幼馴染として。
西園寺家に仕える人間として。
そうするべきなのだろう。
だが。
優斗は拳を握り締めた。
そんな未来を想像するだけで苦しかった。
窓の外を見る。
遠くに東京の夜景が広がっている。
そのどこかに道明寺家の屋敷がある。
そして。
六花もいる。
優斗は小さく呟いた。
「六花……」
返事はない。
当たり前だ。
それでも。
今だけは。
少しだけ。
六花が早く帰ってきてほしいと思わずにはいられなかった。
【side 優斗 fin 】
屋敷の庭で撮った写真だった。
中央で笑う六花。
その後ろで不機嫌そうな玲央様。
六花を抱き締めている紫苑様。
そして端の方に自分。
何度見たか分からない写真だ。
優斗は苦笑する。
我ながら重症だと思う。
しかし。
今の悩みはそれだけではなかった。
問題は道明寺家だ。
道明寺翼。
道明寺蓮。
道明寺碧。
三人とも財閥御曹司。
容姿端麗。
頭脳明晰。
将来有望。
まさしく政略結婚の相手として理想的な存在だ。
特に蓮。
女に人気だという話は優斗も聞いている。
雑誌にも載っていた。
SNSでも話題になっていた。
六花が見たらどう思うだろう。
優しい言葉を掛けられたら。
一緒に過ごす時間が増えたら。
もし。
本当に恋をしてしまったら。
優斗は目を閉じた。
胸の奥が痛む。
六花が誰かと結婚する未来は覚悟している。
それはずっと前から分かっていた。
けれど。
分かっていることと。
受け入れられることは別だ。
ましてや。
六花自身がその相手を好きになってしまったら。
きっと笑顔で祝福しなければならない。
執事として。
幼馴染として。
西園寺家に仕える人間として。
そうするべきなのだろう。
だが。
優斗は拳を握り締めた。
そんな未来を想像するだけで苦しかった。
窓の外を見る。
遠くに東京の夜景が広がっている。
そのどこかに道明寺家の屋敷がある。
そして。
六花もいる。
優斗は小さく呟いた。
「六花……」
返事はない。
当たり前だ。
それでも。
今だけは。
少しだけ。
六花が早く帰ってきてほしいと思わずにはいられなかった。
【side 優斗 fin 】

