「……は?」
そこにいたのは。
浴衣姿の六花だった。
朱雀の総長に手首を掴まれたまま立たされている。
顔は真っ青で、今にも泣き出しそうだった。
「お前……なんで……」
思わず言葉が漏れる。
あり得ない。
ここにいるはずがない。
祭り会場で待たせていたはずだった。
ボディーガードもいたはずだった。
なのに、なぜ。
なぜ六花がここにいるんだよ!!
胸の奥で何かが冷たくなる。
俺の視線の先で。
蓮も動きを止めていた。
そして。
六花を見た瞬間。
盛大に舌打ちをする。
「チッ……」
普段の軽薄な笑顔など欠片もない。
碧も同じだった。
「最悪。」
低い声だった。
それだけで今の状況がどれほど危険か分かる。
黒龍のメンバー達の間にも動揺が広がっていく。
「総長、女いたんすか……」
「初耳なんすけど……」
「彼女?」
「違うだろ……」
そんな声があちこちから聞こえる。
だが、俺は答えられなかった。
視線は六花から外せない。
六花の手首を掴んでいる男の指が。
やけに強く見えた。
そして。
胸の奥から湧き上がってくる感情に気付く。
怒りだった。
今まで感じたことがないほどの。
冷たくて。
ドス黒い。
どうしようもない怒りだった。
【side 翼 fin】
そこにいたのは。
浴衣姿の六花だった。
朱雀の総長に手首を掴まれたまま立たされている。
顔は真っ青で、今にも泣き出しそうだった。
「お前……なんで……」
思わず言葉が漏れる。
あり得ない。
ここにいるはずがない。
祭り会場で待たせていたはずだった。
ボディーガードもいたはずだった。
なのに、なぜ。
なぜ六花がここにいるんだよ!!
胸の奥で何かが冷たくなる。
俺の視線の先で。
蓮も動きを止めていた。
そして。
六花を見た瞬間。
盛大に舌打ちをする。
「チッ……」
普段の軽薄な笑顔など欠片もない。
碧も同じだった。
「最悪。」
低い声だった。
それだけで今の状況がどれほど危険か分かる。
黒龍のメンバー達の間にも動揺が広がっていく。
「総長、女いたんすか……」
「初耳なんすけど……」
「彼女?」
「違うだろ……」
そんな声があちこちから聞こえる。
だが、俺は答えられなかった。
視線は六花から外せない。
六花の手首を掴んでいる男の指が。
やけに強く見えた。
そして。
胸の奥から湧き上がってくる感情に気付く。
怒りだった。
今まで感じたことがないほどの。
冷たくて。
ドス黒い。
どうしようもない怒りだった。
【side 翼 fin】
