春は眩しくて、届かない



すると。


ひらり。


桜の花びらがりのんの髪に落ちる。


湊は「あ」って小さく声を漏らして、
そっとその花びらを取った。


指先が髪に触れる。


近い。


心臓がうるさい。


湊くんは花びらを見て、
ふっと笑った。



「りのん、春似合うね」



その瞬間。


わたしはもう、
だめだった。