春は眩しくて、届かない



りのんを送り届けて湊が教室に入った瞬間。



「柏木ーー!!」



「ほんとに付き合ったの!?」



「いつから!?」



一気にクラスメイトに囲まれる。



「うわ」と苦笑しながら鞄を置いた。



「まじだったんだ……」



「水瀬さん!?意外!」



質問が飛び交う中、
少しだけ後ろを振り返る。


教室の入り口で、
鈴野と話すりのんはまだ少し緊張した顔をしていた。


その顔を見た瞬間。


俺はため息混じりに笑って、
クラスメイトに言った。



「俺りのんと付き合ってるから」



教室が一瞬静まる。


次の瞬間、
「うわ!!」



「名前呼び!!」って騒ぎ始めた。



湊は少し照れたみたいに耳を赤くしながら、
でもはっきり続ける。



「だからりのんに手出さないでね」



「柏木の独占欲出たー!!」



「怖っ!」



「いや前から好きだったし」