春は眩しくて、届かない



静かな時間。


でも数分後。



「……むり」



ぽつりと声が漏れた。


柏木くんが顔を上げる。



「何が」



進路報告書を見つめたまま、
机に突っ伏しそうになる。



「進路希望が埋まらない……」



その声があまりにも弱々しくて、
柏木くんが少し吹き出した。



「なんだそれ」



「だってぇ……」



わたしは髪をぐしゃっと掻く。



「みんな結構決まってる感じなのに、私ほんと何もまとまってなくて」



窓の外では、
夕方の空が少しずつ暗くなっていた。