春は眩しくて、届かない



冬休みが明けて始業式。


体育館の床は冷たくて、
ストーブのぬるい空気がぼんやり漂っていた。


校長先生の話はいつも通り長かったけれど、
今日は少しだけ違って聞こえた。



「皆さんは、もうすぐ高校三年生になります」



その言葉に、
体育館の空気が少し静かになる。


進路。


受験。


将来。


今まではどこか遠かった言葉が、
急に目の前まで来た気がした。


りのんは膝の上で指をぎゅっと握る。