春は眩しくて、届かない



その背中が見えなくなってから、
小さく息を吐く。


それから教室へ入った。


クラスのざわめき。
椅子を引く音。
朝の空気。


3日ぶりなのに、
みんなは思ったより普通だった。



「鈴野おはよー!」




「風邪?」



「もう大丈夫?」



笑って返事をしながら、
陽奈は窓際へ向かう。


柏木くんがこちらを見る。


一瞬だけ、
空気が静かになる。


でも立ち止まらなかった。