春は眩しくて、届かない



涙でぐしゃぐしゃになった声が、小さく漏れる。



「……りのん」



「ん?」



「私、学校行きづらい……」



その一言は、思っていたより弱かった。


胸がきゅっと痛む。


陽奈は俯いたまま続ける。



「みんな普通なのに」



「私だけ変な感じするし」




「柏木くんとも、どう話せばいいか分かんないし……」



掠れた笑い。



「ほんと、ださいよね」



りのんは少しだけ眉を寄せる。



「ださくない」



「ださいよぉ……」



「ださくないって」



今度は少し強めに言う。


陽奈はようやく顔を上げた。


泣きすぎて赤くなった目。
いつもの陽奈なら絶対見せない顔。


そんな陽奈を見て、
ふっと小さく笑った。



「じゃあさ」



「……?」



「明日から、また一緒に学校行こ?」



陽奈が目を瞬く。


少し照れたみたいに視線を逸らした。