春は眩しくて、届かない




「……でも私」




「りのん傷つけた」



「うん、傷ついた」


正直に言う。



「でも、ひながちゃんと話してくれたから」



「私、ちゃんと苦しめた」



陽奈が息を止める。


少し困ったみたいに笑う。



「隠されたままだったら、多分もっと苦しかった」



沈黙。


そのあと、陽奈が小さく呟く。



「……なんでそんな優しいの」



「優しくないよ」



ゆっくり首を振る。



「ほんとは、ちょっとひなのこと嫌になりそうだったし」



陽奈の肩が揺れる。



「でも無理だった」



泣きそうに笑った。



「だって私、柏木くんのこと気になってるってよりも」



「ひなのこと大好きだから」



その瞬間。陽奈の涙がまた溢れる。



「っ、りの……」



声にならない。


少し照れたみたいに目を逸らす。