「……本当に行くの?」
旧校舎へ続く渡り廊下を歩きながら、私は何度目か分からない質問をした。
隣を歩く茉侑は呆れたように肩を竦める。
「もう五回目」
「だってぇ……」
不安なんだから仕方ない。
暴走族なんてテレビやネットでしか見たことがない。
しかも東区No.1。
絶対怖い人たちだ。
きっと睨まれる。
怒鳴られる。
私みたいな普通の女子高生が行っていい場所じゃない気がする。
「大丈夫だよ」
「本当に?」
「うん」
「怖い人いない?」
「いる」
「いるの!?」
思わず足を止めた。
茉侑が吹き出す。
「冗談」
「もう!」
「でも総長はちょっと怖いかも」
「えぇ……」
余計不安になった。


