春の風が頬を撫でる。 満開の桜が揺れるたび、花びらがふわりと舞い上がっていた。 私は思わず空を見上げる。 どこまでも青くて、綺麗な空。 今日から新学期。 そして──。 「それでは、第十代学園姫の任命を行います」 体育館に響く学園長の声に、私はびくりと肩を震わせた。 たくさんの視線が私に集まる。 緊張で心臓が痛い。 逃げたい。 今すぐ帰りたい。 でも学園姫としてそんなことはできない。 私はそっと拳を握った。