捨てられた私が当主になる条件

王宮の広間に国王、家臣、騎士達が揃う中、私は涙ながらに国王に進言する。

「国王様。信じて下さい、私ではありません!」

髪はボサボサ、服だってボロボロで到底貴族だった頃の面影は今の私には無い。
その姿は哀れな罪人そのものだった。
私はいわれなき罪を着せられた。
腹違いの兄の罪を…────。

「決して国の情報を他国に売るような真似はしておりません…。兄が…グロリア家当主であるアーノルド・グロリアが私に罪を被せたのです!」

「黙れ」

国王は冷淡な表情で告げ、私の周囲にいた騎士達が一斉に私の顔に剣をザッと向けた。
今にも私の命を奪うかのように。
「!?」

「レィテシア・グロリア。お前の言葉に価値はない。目の前の現実が事実だ。責任を取ってもらうぞ」
「そんな…」

国王には私の言葉は届かない。
彼の言葉の意味は死を持ってアーノルドが犯した罪を義妹の私が取らなければいけない。
ただそれだけ。
きっとアーノルドは今頃、他国に逃げているだろう。
こうなることを察して。

自分の中でどうして、こんな目に合わなければならないのか、どこで間違えたのか…。
絶望と後悔の念が広がっていくのを感じた。

「罪人に罰を与えたあと、処刑しろ」
「はっ!」

騎士は私の身体を乱暴に組み伏せると、既に用意していた焼印を私の身体に押す。

「いやぁぁぁぁぁぁ」

焼けるような身体中の痛み、絶望、恐怖が私の中で広がっていく。
そんな私の姿を目にして王座に座る国王は下卑た笑みを浮かべた。

「これでグロリア家は終わりだ」

死にたくない。
どうしてこんなことになってしまったんだろう……。
あのとき私に勇気があれば、こんなことにならなかったのかな……。