いつも通り完璧にアイロンの掛けられた白いワイシャツに、仕立ての良いグレーのスーツを纏った常盤が立っている。
相変わらずの、人を寄せ付けない圧倒的なオーラ。
周囲の先輩たちが一瞬でサッと目を逸らし、自分のデスクへと散っていく。
「この辞令、一体どういう……」
「言ったはずだ。逃げられると思うな、と」
常盤は周囲には聞こえないほどの低い声で囁くと、書類を挟んだバインダーを和葉のデスクにトンと置いた。
「これからはおまえが俺のスケジュールを管理しろ。つまり、社内でも社外でも、おまえは常に俺の後ろに付いて回ることになる」
「後ろ……」
そのワードに、和葉の脳裏に昨日の完璧な放物線が鮮烈に蘇る。
「いくらでも特等席から眺めるといい。不純なエネルギーをせいぜい会社の利益に還元してくれ」
恥ずかしすぎる!
でも合法!?
いや、変態は変態か。
「ただし、俺もおまえを容赦なく観察させてもらう。赤くなっているその耳も、白いうなじに映える後れ毛も、とうの昔から俺のツボだからな」
「え……?」
「ずっと前から俺だけのものにしたかった」
驚いて顔を上げた和葉の視界に、常盤の綺麗な唇が弧を描くのが映る。
「これからは公私ともに、おまえを俺の特等席に拘束する」
呆然とする和葉を置き去りにしたまま、常盤はいつも通りの隙のない足取りで部長席へ。
今日もスラックスの生地が動きに合わせてピンと張り、極上のヒップラインを描き出しているのに、集中できない。
はい?
白いうなじ? 後れ毛?
って、くせ毛で言うことを聞かないこの髪の毛……!?
和葉は真っ赤な顔であわてて首筋を隠した。
「水野、早くしろ」
「ひゃいっ」
怒涛の急展開に、和葉の心臓は完全にキャパオーバーだ。
昔からっていつから?
俺のツボ? 嘘でしょ。
公私ともにってどういうこと?
「まずは来週の出張手配を」
「しゅ、出張!?」
手渡された行き先は日帰りでは厳しい距離。
しかも、なぜかホテルの部屋は1部屋だけ?
これって、まさか……いきなりお泊まりコース!
「もう逃がさない。やっとおまえを囲い込める」
耳元に降ってきた低い声と、不敵に微笑む『氷の部長』。
芸術的なお尻を堪能していただけなのに……!
常盤が仕掛けた底なしの溺愛トラップに、どうやらまんまと囚われてしまったようだ。
逃げることができないフェチの執着に。
END
相変わらずの、人を寄せ付けない圧倒的なオーラ。
周囲の先輩たちが一瞬でサッと目を逸らし、自分のデスクへと散っていく。
「この辞令、一体どういう……」
「言ったはずだ。逃げられると思うな、と」
常盤は周囲には聞こえないほどの低い声で囁くと、書類を挟んだバインダーを和葉のデスクにトンと置いた。
「これからはおまえが俺のスケジュールを管理しろ。つまり、社内でも社外でも、おまえは常に俺の後ろに付いて回ることになる」
「後ろ……」
そのワードに、和葉の脳裏に昨日の完璧な放物線が鮮烈に蘇る。
「いくらでも特等席から眺めるといい。不純なエネルギーをせいぜい会社の利益に還元してくれ」
恥ずかしすぎる!
でも合法!?
いや、変態は変態か。
「ただし、俺もおまえを容赦なく観察させてもらう。赤くなっているその耳も、白いうなじに映える後れ毛も、とうの昔から俺のツボだからな」
「え……?」
「ずっと前から俺だけのものにしたかった」
驚いて顔を上げた和葉の視界に、常盤の綺麗な唇が弧を描くのが映る。
「これからは公私ともに、おまえを俺の特等席に拘束する」
呆然とする和葉を置き去りにしたまま、常盤はいつも通りの隙のない足取りで部長席へ。
今日もスラックスの生地が動きに合わせてピンと張り、極上のヒップラインを描き出しているのに、集中できない。
はい?
白いうなじ? 後れ毛?
って、くせ毛で言うことを聞かないこの髪の毛……!?
和葉は真っ赤な顔であわてて首筋を隠した。
「水野、早くしろ」
「ひゃいっ」
怒涛の急展開に、和葉の心臓は完全にキャパオーバーだ。
昔からっていつから?
俺のツボ? 嘘でしょ。
公私ともにってどういうこと?
「まずは来週の出張手配を」
「しゅ、出張!?」
手渡された行き先は日帰りでは厳しい距離。
しかも、なぜかホテルの部屋は1部屋だけ?
これって、まさか……いきなりお泊まりコース!
「もう逃がさない。やっとおまえを囲い込める」
耳元に降ってきた低い声と、不敵に微笑む『氷の部長』。
芸術的なお尻を堪能していただけなのに……!
常盤が仕掛けた底なしの溺愛トラップに、どうやらまんまと囚われてしまったようだ。
逃げることができないフェチの執着に。
END



