俺様鉄面皮上司が偽装彼氏になりまして。

「やぁっぱキムタクだよねえ」
「そお? わたしは断然香取くん派だなぁ。あんな弟いたら最高じゃん! 」
「えー。帰ってきたらキムタクがお帰りーって言ってくれたらもう、他になんもいらないよ。ご飯とかも作らなくていい」
「そうかなぁ。……疲れて帰ってきてエプロン姿の香取くんがオムライス作って待っていてくれたら。飛ぶわ。―――明日羽(あすは)は? どう? 」
 せっかくのランチタイムにしぶーい顔をしているのはこの世であたしだけだ。
 ……友達から、また、連絡が来た。
『件名:報告』
『モトムくんが女の子と腕組んで歩いているの見ちゃった。
 黙っていようか迷ったんだけど。
 明日羽、そろそろ限界じゃない? 
 男の浮気性は治んないよ』
 ご丁寧にもメールにjpeg形式で写真が添付されており、友達の言うことが真実なのだと分かる。もはや、SMAPどころの騒ぎではない。
 ただの知り合いだよ、といつも彼は言う。
 そのあとはやたらとご丁寧にあたしを攻めて、それでいいと、思っている。
 そろそろこんな関係終わりにしない? と別の自分がささやく。
 けど……。けど。