小悪魔DOLL【Ⅰ】









「あいく、……おいで?」

甘く響く声は体を溶かしてしまいそう。天使の羽根に包まれているように、ベッドの上で里央の腕の中に閉じ込められた。



「あいくの髪も」

手のひらがあたしの髪をすべり落ち、

「あいくの瞳も」

親指の腹がまぶたを撫でて、

「あいくの指先も」

流れるように指先が絡み合う。




そして、ミルキーブラウンの瞳が唇に視線を落とす。神様から隠れて、悪戯でも企むように、ピンク色の唇が弧を描いた。



「あいくの唇も——」



その間《ま》は唇が重なり合うことを連想させるように、妖麗に響き渡った。彼が近づいて、顔を傾ける。ミルキーブラウンの毛先が、頬をくすぐった。規則正しく打つ里央の鼓動が、体に響く。

ミシミシとベッドが軋んで、里央の体が密着する。




「僕好みの天使になった、……ね??」

里央の唇が耳元に寄せられ、吐息に髪は揺れる。

大人びた声色に、息があがる。

あの日、あの時、天使が迎えに来て、導くように手を差し出した。


『あいく、僕が君に天使の魔法をかけてあげるよ』

だから、あたしはその手をとったの。