「あいく、……おいで?」
甘く響く声は体を溶かしてしまいそう。天使の羽根に包まれているように、ベッドの上で里央の腕の中に閉じ込められた。
「あいくの髪も」
手のひらがあたしの髪をすべり落ち、
「あいくの瞳も」
親指の腹がまぶたを撫でて、
「あいくの指先も」
流れるように指先が絡み合う。
そして、ミルキーブラウンの瞳が唇に視線を落とす。神様から隠れて、悪戯でも企むように、ピンク色の唇が弧を描いた。
「あいくの唇も——」
その間《ま》は唇が重なり合うことを連想させるように、妖麗に響き渡った。彼が近づいて、顔を傾ける。ミルキーブラウンの毛先が、頬をくすぐった。規則正しく打つ里央の鼓動が、体に響く。
ミシミシとベッドが軋んで、里央の体が密着する。
「僕好みの天使になった、……ね??」
里央の唇が耳元に寄せられ、吐息に髪は揺れる。
大人びた声色に、息があがる。
あの日、あの時、天使が迎えに来て、導くように手を差し出した。
『あいく、僕が君に天使の魔法をかけてあげるよ』
だから、あたしはその手をとったの。
