「いのちの電話」がつながらない。いつもいつの日にも。今日も明日も明後日も。ママが昨日、新しい男とアパートを出ていった。パパの命日だったのに。こうしてあたしは正真正銘ひとりぼっち。手首の傷を数える日々にもいい加減飽きたから、ウソみたいにきれいな夕闇に飛び込んだ。真っ逆さまに落ちながら、あたしなぜか泣きながら、右耳に押し当てるスマートフォン。虚しく鳴り続けるコール音。「いのちの電話」がつながらない。