素直で素直じゃない複雑関係

出会いは最悪。
高校生では上手く生きようって思ったのに、クラスメイトに素顔見られるとかたまったもんじゃない。
でも、でも——。
佑(ゆう)の辛さなら、私もわかってあげられるから。

「葵(あおい)、これはふたりだけの秘密ね」

そう微笑む君の隣は、とても心地いい。
でも、なんで私は素直になれないんだろう。
私には恋がわからない。
だから、この気持ちが「好き」ってものなのかもわかんない。

「俺はずっと梨紗が好きだった。あいつ…伊織(いおり)のことなんか見ないで」

私が萩翔(しゅうと)の気持ちを受け入れたから、ダメだったの?
ねえ、教えてよ…。

「葵、もう俺と一緒にいちゃダメだ。俺は葵のただの友達なんだから」

それじゃ嫌だよ。
私は佑のこと、“ただの友達”以上に見てるんだから。
そんなこと言わないでよ。

「梨紗の心には、もう誰かがいるの…?」

そう…なのかもしれない。
萩翔といてもドキドキしないのに、佑といる時だけ胸が高鳴るんだもの。
でも、わかったところでどうすればいいの?
佑とは話すこともできないのに。
そんなふうに悩んでる時、私はあの人に助けられた。
私は夢を見つけたよ。
だから、少し強くなってみる。

——少しだけ素直になってみる。

でも、現実ってそんな上手くいかない。

「佑、この子誰?モデル仲間?」

私はもう、手遅れなの?
私たちもう一度戻れるかな。
戻りたいよ。
だから私、もっともっと頑張る。

これは素直になれない私と、天才だけど孤独な君の切ないお話。