魔力ゼロの悪役令嬢が 最強の魔女になれたのは、優しい魔王さまの嫁だから

48話 サードプロローグ 歓楽街


ロンロン遊廓は、ウエリント地域にある赤線地域で、2000軒を超える妓楼(ぎろう)が集まり、イデアランド、一の遊郭、として名高い。


その東にはメント歓楽街があり、地域一帯はさながら不夜城のごとくである。


その中でも、異人種専門ショーパブ、『異人種性館マリウセン(東エルフの俗語で×××の意)』は、人気有名店である。


名物は大水槽を使った、魚人のショーや炎のエルフの火焔ショー。


VIPの間で紹介制でしか見られない、スライム娘と人間娘のレズビアンショーなど多彩なショータイムが設けられている。


今宵も、欲望という名の電車に、お客様を詰めこんで、この店は大繁盛だ。


この店には、嬢を呼び出し、一緒に飲めるVIPのみの、フロアが幾つか設けられている。


─とあるVIPルームで派手な遊びをしている、魔導士がいた。


カシウス•オルデウスという、伝説の魔王を封印したという、天才魔導士という話。の、人物だ。


カシウスは右手にはエルフとドワーフの混血巨乳ちゃん。左手にはぶりっ子猫耳獣人。
膝にはロリっ子翼人を、はべらしている。


魔導士は、酒もしこたま入って上機嫌のようだ。


ショーパブの支配人は揉み手で、新人を紹介する。


「…魔導士様。今日は、とっておきの娘が入っているんでご紹介させて下さい。」


「…ふーん。どんな娘?」


話を振られ、魔導士の眼鏡は反射して、表情は読めない。


「今宵が、初デビューな、ウブな娘をご用意しております。」


「もしよろしければ、特別室で、個人的な、サービスも出来ますのでどうぞお申し付けくださいね。」


支配人にうながされて、エキゾチックな異民族の衣装を纏った女が登場した。


ベールで顔を隠しているものの、瞳は美しく、肌は白く柔らかで、胸元が大きく開いた衣装は、欲情をそそった。


魔導士は、目を伏せた女を舐め回すように、見つめている。


「君すごく、雰囲気あっていいね。でも…ちょっと顔を見せてよ」


「おそばにいっても、よろしいですか?」


「もちろんこっちに、おいで」


そう言って、猫娘と交代した。

(着席すると同時に、尻を触ってくる)


「お久しぶりです、曾々々々お祖父様。」


「お祖父様?」


魔導士は、(いぶか)しがりながら聞き返す。


女はそう聞くやいなや、後ろ手に隠した、魔法の杖を魔道士カシウスの口に突っ込んだ。


顔を隠していた、ベールを、取るとそこには、カリナ•オルデウスがいた。


「かっ……カリナ?どうして、ここが!?」
 

「もちろん知っていました」


「そうですよね。わたしのご先祖さま、初代カシウス•オルデウス公様」


「!!??」


「初代オルデウス公の性豪伝説は子子孫孫、伝えられておりましたから。」


「きっと、いかがわしいお店を片っ端から探していけば、魔導士カシウス•オルデウスに行き当たると踏んでいました。」


「なにせ、桁違いの浪費癖、メイドから夜の女性、貴族の令嬢、人妻、エルフから獣人、あらゆる女癖のせいで、家名に泥を塗りまくり。

それに飽きたらず、夜のお店にも通い詰め、莫大な借金を作って、わたし達、子孫に多大なる迷惑を残したことは、語り草です。」


「今ならわかります、借金や女癖からくる不始末から逃げるため、死んだ事にして、姿を消したんでしょう?」


「初代オルデウス公様のせいで、子孫がどれほど恥ずかしい思いをしたか…。

死んだとき、家族が泣くほど喜んだことか…。」


「とにかく、貴方が初代オルデウス公様とわかれば話しがあります!」


「……はっ…話し?」