嫌われない方法を覚えた少女(上)


Kくんと出会ったのは、

特別な日ではなかった。

運命的な出会いでもない。

映画みたいな偶然もない。

本当に普通だった。

だからこそ、

後から思う。

人生を変える出会いって、

案外そんなものなのかもしれない。



最初の印象は、

静かな人。

だった。

優しいけど、

何を考えているかわからない。

感情をあまり表に出さない。

私とは真逆だった。

いや。

正確には違う。

私も感情を隠していた。

ただ、

笑顔で隠すのが上手だっただけだ。



Kくんとのやり取りは楽しかった。

無理をしなくてよかった。

変に取り繕わなくてもよかった。

それなのに。

楽しくなればなるほど、

怖くなった。



「好きになったらどうしよう」



その予感は、

思ったより早く現実になった。