余所者-よそもの-【 2 】



「ねぇ……」

「………」

「ねぇってば」

「………」


走って逃げようとはしない。

でも、私の呼びかけに応える様子もない。


女の子は一定の歩調で、真っ直ぐにシトウの街を歩いていく。


この子はどこに行くんだろう。

こんな時間、若い女の子一人で危ないったらない。


帰るまで、後ろをついて歩こうか。

気味悪がられるかな?
でも、この子だって私の写真を勝手に撮ってるし。


……あ。

「前にさ。『ひとつだけ教えて』って言ったの、覚えてる?」

「………」

「私はあなたの質問に答えたのに、あなたはまだ、何も答えてくれてないよね」


──『……じゃあ。ひとつだけでいいから、教えて』

AnBarの前で、露天商から買ったカメラを返したときのことを咄嗟に持ちだした。

女の子は足を止めた。


「なんだよ」

よかった。
これで話せる。

黙ってついて歩くのも、気持ち悪いだろうし。


「………」

けど、どうしようかな。

質問……質問、か。