シドは途中、何度か言葉を零した。
「助けてやれなくてごめん」とか、「間に合わなくてごめん」とか。
何度も、壊れたように謝って、謝った挙句の果て。
「──……カエデ」
私じゃない、別の女の名前を呼んだ。
私はそれに、妙に納得した。
────これは、罰だ。
タカの死から目を背け続けた、罰。
先に始めたのは、私の方。
シドに抱かれながら、罪を忘れようとした。
だから、いくらシドが。
私をこっぴどく抱きながら、心の中では他の女を優しく抱いていても。
責めることはできない。
傷つく資格も、ない。
これは、当然の報い。
痛いくらいが、私にちょうどいい。
ちゃんと受け入れなきゃ。
そう思った。
なのに。
シドが私の左足首を掴み、腰を寄せたとき。
まだ治りきっていない火傷の痛みを感じると、ユキの言葉が脳裏によぎった。
──『お前はどうして、自分の心配ができない?』
冷水に晒され続けたユキの。
冷たく優しい手の感触を、肌が思い出せば。
高まった熱を打ち付けるシドの。
焼けるほど熱い手の悲しさを、肌が思い知る。
そうすると、なんだか無性に。
どうしようもなく、泣き喚きたい気持ちになった。


