開いた口が塞がらない。
呆れかえった私の背後で何か、とてつもない気配がした。
「……バンくん」
ぬ、と私の前に出たサンコン。
床に胡坐を掻き、足の上にジャンプを広げたバンの頭上に、大きな、大きな影がゆっくりと迫る。
「ん?」
ジャンプに目をやったまま、首だけで振り返ろうとしたバン。
顔がこちらに向くよりも早く、その頭頂部をサンコンの巨大な手が鷲掴みにし、そのまま真っ直ぐに持ち上げられた。
プラプラとしたバンの足が、床から数センチ浮き上がっている。
「アダダダダ……!!ぃ痛いぃッ頭が割れるぅぅ」
「働きましょう」
ドサ、と床に落とされたバン。
サンコンは床のジャンプを無表情に拾い上げると、両手をそれぞれのページにかけた。
「や……やめ、やめてくれっ頼むから……!」
バンの必死の懇願も虚しく。
――ビリビリビリ……
「あああああああああああああ」
サンコンは分厚いジャンプを何度も真っ二つに。粉々になるまで引き裂いてしまった。
「俺の……ジャンプが……」
「さて、開店準備です」
絶望した様子で床に突っ伏すバンなんて無視。
仕切り直すようにパンパン、と小気味よく拍子を打ったサンコン。
なんとも騒がしい二人に、私はおかしくなってクスクスと笑っていた。

