余所者-よそもの-【 2 】



「………」

怖い。
触らないで。
あっち行って。

すると低い声が、ぽつりと落ちてきた。


「悪かった」

「………」


「怖がらせた」

「………」


「俺のせいで、お前が……」

「……シド?」


「守ってやれなかった」


シドは私の髪を撫でた。

後ろから覆うように抱きしめ、首筋に唇を触れさせる。


次の瞬間、息が止まるくらいの激痛が走った。


「────……っ」

触れていた口が、首筋に、強く歯を立てていた。


「な……で」

なんで?

噛まれた首が燃えるように熱くて、痛い。


身体をひっくり返された。

交わった視線は、やっぱり私を見ているようで、見ていない。


「シド?」

「………」


「シド……」

ねぇ、なんで?


シドは、私が何度名前を呼んでも、答えてくれなかった。

いつもみたいに、私に何かを求めさせることもない。
息つく間も与えてくれない。


ただ、一方的に滾る熱を冷ますように、私を抱いていた。

身体を揺さぶられるたび、シドが押し付けてくる熱とは裏腹に、私の身体はどんどん冷えた。