余所者-よそもの-【 2 】



ちりとりとホウキを持って、静かに片付けを始めた野間の背中に尋ねる。

「ここって安全な場所じゃなかったの?」

「普段は……そうなんですけどね」


野間はホウキを動かす手を止めた。

「奇跡的に最悪な状況が重なりまして」

「奇跡?」

「シトウの真ん中でデッカイ騒動があって、ここの見張りも慣れない連中に代わってた。そこをあっさり突破されました」

騒動に人手を取られて、守りが手薄になっていたってことか。


「こういうことってよくあるの?」

「……全くないとは言い切れないってのが、よりによって今日、証明されてしまいましたね」

これまではなかったんだ……。


「なんだか、シトウっぽいね」

「……巻き込んじゃって、すみません」

「どうして野間くんが謝るの」


野間は、なんとも痛ましそうな顔で私を見る。

殴られたからなのか。
怖い思いをさせたからなのか。

どちらにしても、シトウの人にもこんな気遣いがあるなんて、ちょっと意外。

『殴り殴られなんてこの街じゃ日常茶飯事だ』って、誰かが言ってたから。