余所者-よそもの-【 2 】



「………」
「………」

彼女はとても勿体ぶった。
私は固く結ばれた口が開くのをじっと待った。


「……ォイ」

「え?何、聞こえな……」

「ア・オ・イ!」

恥じらうように自分の名前を言う彼女は、アオイ。


「アオイちゃんっていうのね。私カナコ」

「用は済んだろ。じゃあな」

「ねえ、アオイちゃん」

「………」

「ねぇねぇ」

「………」

「アオイちゃん」

「……うるさいなお前ッ!」

スタスタと歩き出すアオイの真横にぴったりとついて歩き、何度か呼びかければ、鬱陶しそうにこちらを振り返った。


「もう少し私に時間くれない?質問し合うとかじゃなくて、普通に話したい」

「……却下」

「嫌なことは答えなくていいし、無視してくれていいから」

「全部シカトする」

「それでいい。私、喉が乾いてて。ちょっとそこでお茶しようよ」

通りがかったコインパーキングの、車の止まっていないスペースを指さした。


「………」

アオイは睨みつけるようにして見てきたけれど、自販機にお金を入れて「何がいい?」って尋ねれば「お茶」と短く返してくれた。

自分も同じ緑茶を買って、タイヤ止めのコンクリートブロックの上に腰を下ろす。