余所者-よそもの-【 2 】



この人たちはシドの仲間なんかじゃない。

シドの、敵だ。


早く、逃げなきゃ。

けれど、出入口は男たちに塞がれている。

奥の部屋に戻っても、窓はない。

その間にも、男が目前まで迫っていた。


できることは一つしかない。

「誰かぁぁぁぁあああ……!!」


喉が千切れるくらい、ありったけの大声で助けを呼ぶこと。


「黙れッ!!」

すぐさま男の拳が、私の鳩尾にめり込む。
がくんっと、崩れ落ちる身体。

続けざまに肩を押し込まれ、床に突っ伏すと、私の背中に男の膝がどっかりと乗っかってきた。

「カハッ……!」

ぐっと体重をかけられ、お腹の中のものが全部飛び出てしまいそうになる。


「口になんか詰めとけ!!」

床に転がっていた雑巾のような汚い布切れが、無理やり口の中へと押し込まれた。


「お前はそのまま女を抑えてろ!」

身体は、動かせない。

声も、出せない。


耳は、周囲の音を拾う。


「さっさと荒らせ!」

その声を合図に、バットや鉄パイプを持った男たちが一斉に動き出した。

ガシャンッ!!と、ガラスの割れる音。
ゴトンッ!と、何か重たいものが倒れる音。

何かを叩き壊す音に混じる、男たちの楽しそうな笑い声。