余所者-よそもの-【 2 】



シドは途中、何度か言葉を零した。


「助けてやれなくてごめん」とか、「間に合わなくてごめん」とか。
何度も、壊れたように謝って、謝った挙句の果てに、

「――…カエデ」

と、別の女の名前を呼ぶものだから、それだったら私だって私で居るのをやめたっていいなって思った。

これはきっと何かの罰なんだと受け入れて、ただ時間が過ぎ去るのを待つ事にした。


なのに。
シドが私の左足首を掴み、さらに腰を深く打ち付けてきたとき。

まだ治りきっていないヤケドの痛みが走ると、ユキのことを思い出してしまった。


――『俺、お前が自分を蔑ろにするのを見る度に、イラつくんだよね』


冷水に晒され続けたユキの、氷のように冷たかった優しい手の感触を思い出せば。

今この身に降りかかるシドの、焼け切れるほどに熱い、残酷な手の感触を思い知る。


そうすると、なんだか無性に。
どうしようもなく、泣き喚きたい気持ちになった。