この人たちはシドの仲間なんかじゃない。
シドの、敵だ。
早く、逃げなきゃ。
けれど、出入口は男たちに塞がれている。
奥の部屋に戻っても、窓はない。
その間にも、男が目前まで迫っていた。
できることは一つしかない。
「誰かぁぁぁぁあああ……!!」
喉が千切れるくらい、ありったけの大声で助けを呼ぶこと。
「黙れッ!!」
すぐさま男の拳が、私の鳩尾にめり込む。
がくんっと、崩れ落ちる身体。
続けざまに肩を押し込まれ、床に突っ伏すと、私の背中に男の膝がどっかりと乗っかってきた。
「カハッ……!」
ぐっと体重をかけられ、お腹の中のものが全部飛び出てしまいそうになる。
「口になんか詰めとけ!!」
床に転がっていた雑巾のような汚い布切れが、無理やり口の中へと押し込まれた。
「お前はそのまま女を抑えてろ!」
身体は、動かせない。
声も、出せない。
耳は、周囲の音を拾う。
「さっさと荒らせ!」
その声を合図に、バットや鉄パイプを持った男たちが一斉に動き出した。
ガシャンッ!!と、ガラスの割れる音。
ゴトンッ!と、何か重たいものが倒れる音。
何かを叩き壊す音に混じる、男たちの楽しそうな笑い声。


