余所者-よそもの-【 2 】



AnBarからRe:bidoまでは、徒歩で30分もかからない距離。
バイクだと、たった五分程度。

短いドライブを終えてバイクを降りると、細道からは徒歩に切り替えた。


「Re:bidoって、秘密の場所なの?」

「まぁ、基本的には」

「基本的には……?」


「そもそもRe:bidoはシトウ幹部の集まる場所。なので、公(オオヤケ)にはしてません」

幹部の集まる、秘密の場所……。


「秘密基地みたいな感じ?」

そう言うと、野間が「プッ」と笑う。

「そんな感じっす」


「見た目はお店っぽいのにね?」

一見するとバー。

それにシドだって、Re:bidoのことを『俺の店』と呼んでいたし。


「それは紫藤さんの趣味。酒集めるの好きなんすよ」


「シドはずっとあそこで暮らしてるの?」

「まさか。紫藤さん、ちゃんと別でいいとこ住んでます」

そうなんだ。
いつもあの個室で寝泊まりしてるんだと思ってた。


「元は仮眠用であの部屋作ったんですけどね。本宅に帰るのが面倒みたいで、よく寝泊まりしてるっすね」

家に帰るのが面倒……か。


「……だから私はRe:bidoに呼ばれるんだ」


どうしていつもRe:bidoのベッドなのか、少し気になっていた。

家に呼ぶような相手でもないし、わざわざホテルを取るほどでもない。

そう考えれば、ここが一番都合がいいのかもしれない。


「いえ。ここが一番、安全な場所だからっすよ」


野間がそう言うと、ちょうど目の前にRe:bido。

目的地に到着した。


「ふぅん」

そう返事をしたときにはもう、野間はすっかり踵を返している。

「じゃあ、また帰りに」


そうして野間と入口で別れ、私は今日も一人、Re:bidoへ足を踏み入れる。