AnBarからRe:bidoまでは、徒歩で30分もかからない距離。
バイクだと、たった五分程度。
短いドライブを終えてバイクを降りると、細道からは徒歩に切り替えた。
「Re:bidoって、秘密の場所なの?」
「まぁ、基本的には」
「基本的には……?」
「そもそもRe:bidoはシトウ幹部の集まる場所。なので、公(オオヤケ)にはしてません」
幹部の集まる、秘密の場所……。
「秘密基地みたいな感じ?」
そう言うと、野間が「プッ」と笑う。
「そんな感じっす」
「見た目はお店っぽいのにね?」
一見するとバー。
それにシドだって、Re:bidoのことを『俺の店』と呼んでいたし。
「それは紫藤さんの趣味。酒集めるの好きなんすよ」
「シドはずっとあそこで暮らしてるの?」
「まさか。紫藤さん、ちゃんと別でいいとこ住んでます」
そうなんだ。
いつもあの個室で寝泊まりしてるんだと思ってた。
「元は仮眠用であの部屋作ったんですけどね。本宅に帰るのが面倒みたいで、よく寝泊まりしてるっすね」
家に帰るのが面倒……か。
「……だから私はRe:bidoに呼ばれるんだ」
どうしていつもRe:bidoのベッドなのか、少し気になっていた。
家に呼ぶような相手でもないし、わざわざホテルを取るほどでもない。
そう考えれば、ここが一番都合がいいのかもしれない。
「いえ。ここが一番、安全な場所だからっすよ」
野間がそう言うと、ちょうど目の前にRe:bido。
目的地に到着した。
「ふぅん」
そう返事をしたときにはもう、野間はすっかり踵を返している。
「じゃあ、また帰りに」
そうして野間と入口で別れ、私は今日も一人、Re:bidoへ足を踏み入れる。


