余所者-よそもの-【 2 】



今日は土曜日。

サンコンとバンがAnBarを出て行くと、私は一人、いそいそと支度を始めた。


いつもの入浴セットに加えて、今日は翌日の着替えと、メイクポーチ。

普段よりも多くなった荷物を持って、深夜の街に出る。


──『じゃあ土曜の夜は絶対来い』

シドとの、約束。


私は露天街とシトウの、なんとなくの境界線になっている十字路。

その裏手にある、人通りの少ない場所まで歩いた。


「お疲れっす」

そこで待っていたのは、黒の大型バイクに跨った野間。


『AnBarの前には来ないでほしい』

野間の送迎に注文をつけたのは、三日前のこと。

シドに呼ばれ、Re:bidoで身体を重ねた、その帰り。

この、人目につかない場所を指定させてもらった。


間違っても……AnBarの誰にも、この関係を知られたくない。

後ろ暗い気持ちで待ち合わせ場所を一方的に決めた私に、野間は『いっすよ』と、快く応じてくれた。


「メット被ってください」

「ありがとう」


大型バイクの後部座席。

野間の手を借りて、やっとのことで乗り込む。


「んじゃ、しっかり掴まっててくださいね」


私にはヘルメットを被せるくせ、野間はヘルメットなし。

野間の肩に両手を乗せると、バイクのエンジン音が路地裏に響き渡った。