余所者-よそもの-【 2 】



ほっとしてキッチンに入り、飛び散ったバターを拭いて、置きっぱなしだったフライパンを洗う。


さて、調理再開。

腕を捲ったところで、ふと視線に気が付いた。


「どうかしましたか?」


腕を組んだユキが、キッチンの壁にもたれかかってじっとこちらを見ている。


「いや、ホントに料理作ったことあるのかなと」

「あります。……さっきはドジしましたけど、大丈夫ですから」


「………」

怪しむ目。

どうやら信用されてないっぽい。


まぁ、一度やってしまったものは仕方がない。

ユキの視線を感じながら、調理を再開した。


見られていると、なんだか作り辛い。

でも、そのおかげか、さっきみたいに記憶に気を取られてぼうっとすることもなかった。


カチャカチャとフライパンを振って、あっという間に完成。

二つのお皿に綺麗に並んだ、きつね色のオムライス。

一人小さく拍手をする。


ダイニングテーブルに運び、ユキと一緒に食べた。


「どうですか?」

「うん。ちゃんと旨いね」

柔らかく目元を下げたユキ。


──『やっぱカナのオムライスは旨いな!』

そんな彼の顔を思い出した。


けれど、不思議だった。

今はどうしてか、それほど悲しくなかった。