「買ってきてくれたんですか?」
見ればわかる。
そんな当たり前のことをマヌケに口にした私に、ユキは答えない。
ただ、長い指先に軟膏を出すと、私の足首にそっと塗り広げていく。
「……っ」
冷えた肌に薬が触れると、ヒリッとした。
思わず小さな声が漏れ、そこでやっとユキと目が合う。
「ユキさん、ありがとうございます」
「うん」
もう、怒ってなさそう?
「お腹……空きましたよね」
「空いたけど」
「すぐに作ります」
「足は?」
「立つとか歩くのは全然平気ですよ。ほら!」
膝を伸ばして、足先をグーパーと開いて見せると、ユキは小さく溜息を吐いた。
いつもの気だるげな表情。
よかった。
もう、いつものユキだ。


