余所者-よそもの-【 2 】



一向にユキは戻って来ない。

待っていても仕方がないので、シャワーを止めて浴室を出た。


足だって冷たさに限界だった。

ここまで冷やせば大事にならないはず。


廊下に出ると、ちょうど玄関扉が開く音がした。

小さなビニール袋を手に提げたユキが、外から帰ってきた。


……どこに行ってたんだろう?

首を傾げていると、ユキが顔を伏せたまま、ズンズンと迫ってきた。


「……え、……え?」

それは、まるでタックルの要領。

ユキは腰を屈め、両腕でガツッと胴体をロックすると、そのまま私を担ぎ上げた。

リビングまでワッショイと運ばれ、ソファにごろん、と下ろされる。


「あの……」

一体、なんなの。


「………」

ユキは黙ったまま、ビニール袋から小箱を取り出した。

中から出てきたのは、小さな白いチューブ。


ぽいっと床に投げ捨てられた箱には、火傷用の軟膏薬と書かれていた。