十六時五十七分

見たことのない顔の先生がこちらに向かって歩いてくる。金色の夕陽に染まったその表情はどこか鬼気迫っているようにも見える。すれ違いざまに私は「お疲れさまです」と一応あいさつをする。しかし彼は無言で目の前を通り過ぎる。その背中の行方を何気なく目で追う。立ち止まったのは職員室前。懐からおもむろに取り出したのは果物ナイフ。私が絶叫するよりも早く大人たちの阿鼻叫喚が放課後の校舎に響き渡った。