「落としましたよ」振り返るとひとりの女の子が立っていて、ハンカチを差し出していた。「ありがとうございます」立ち去ろうとした女の子に、ぼくは勇気を出して声をかける。「待って。また落ちちゃったみたいです。今度は恋に落ちてしまいました。よかったらこのあと一緒に、ご飯でも食べに行きませんか?」女の子は頬を赤らめた。「こんな私でよければ」ぼくらは並んで歩き出した。「言い忘れてたけど私、落としてるのよね。命」