星降る夜に、あの日のキスをもう一度


 エドガーとアンジェラの会話にメロディは目をぱちくりとさせているけれど、ヒィズルで天然の露天風呂に入ったことのあるコンラッドは、
「それもいいかもなぁ」
 と、面白そうに口の端を上げた。

「あとで時間があったら試してもいいかもしれないわね」

 昨日は風呂が使えないので、体をぬれタオルで拭くのとアンジェラの清浄魔法を併用したが、風呂で体を伸ばせるならリラックス効果は抜群。かなり魅力的だ。
 周りにちょっとした囲いを作れば、メロディもライラも喜ぶだろう。

「じゃあ風呂を作ったら、俺は先生と入ろうかな。背中流しますよ」

 こちらを見もせず冗談を飛ばすエドガーに、メロディは「まあ」と言ったまま絶句しているのが可笑しい。

「そうねえ。エドガーとお風呂なんて何年ぶりくらいかしら? あれはたしかエドガーがわたくしにきゅうこ……」
「わああ、すみません先生。冗談です、忘れて下さい!」

 面白がってあえて話にのってみると、エドガーはアンジェラが言いかけた出来事を思い出したのか、急に恥ずかしくなったらしい。
 まだまだ可愛いなぁとアンジェラはにっこり笑った。

 昔アンジェラは、派手に水たまりで転んだ当時三歳か四歳くらいのエドガーを、風呂に突っ込んでガシガシ洗ったことがある。一緒に入ったといってもアンジェラは服を着ていたのだ。
 普段生意気だったエドガーが、あの時は泥だらけになった恥ずかしさとショックでわんわん泣いていた。しかもお風呂の後は妹のアデルと一緒に花を摘んできて、なぜか二人で「将来お嫁さんになってください」と言ってきたという萌えエピソード付き。
 あまりの双子のかわいらしさに、思い出しただけで今も悶える。

「それはさておき、本題に入りましょう。エドガーの力を解放しないとね」

 早くしないと昼になってしまう。

「これ本当は、あと五年くらいかけて解かれるはずなんですよね」

「そうだけど仕方がないわ。大丈夫。わたくし自身を媒介にするからエドガーの負担は少ないわ。――なのですみません、旦那様、メロディ。やることがあるので、その辺で遊んでいてくださいませ」

 ざっと必要な陣を組みながら言うと、メロディが「見ていたらダメですか?」と聞いた。