星降る夜に、あの日のキスをもう一度




 朝食の前に少しだけ近くを歩いてくるとアンジェラが玄関に向かうと、ちょうどコンラッドが降りてきた。髪は軽く撫でつけてあるものの、ここには剃刀を置いていないらしく、無精ひげが生えたあごを気にするように撫でている。

「おはようございます、アンジェラ。どちらへ?」

「おはようございます、旦那様。朝食の前に、少し近くを散歩しようかと思ったんですけど……」

 そう言いながら、アンジェラは階段の陰に見える二つの金色の頭に首をかしげた。

(朝早くからかくれんぼ?)

「子供たちが起きてるのでしたら、このまま朝食にしましょうか。ねえ、メロディ、エドガー?」

 まだ早いと思ったから散歩にでもと思ったのだけど、皆起きているならお腹もすいていることだろう。そう思ったのに、慌てた様子で立ち上がったメロディはキョロキョロした後、階下のライラに何か訴えるような顔をした。

「あの、私、まだお腹が空いていませんし。えっと、そう。今からライラに髪を編んでもらうつもりですので、どうぞ先生はゆっくりお散歩に行って来てくださいませ」

「そう? でもエドガーはお腹が空いたでしょう?」

「いえ、先生。俺は朝食の前にシドニーと剣の手合わせをって、約束をしてるんです。なのでまだ朝食は先いいです」

「そうなの?」

 アンジェラが小首をかしげると、メロディとエドガーがこくこくと頷き、シドニーとライラも優雅に一礼する。

(短期間でずいぶん仲良くなったこと)

「では旦那様は」

「私は、散歩にご一緒してもよろしいですか?」

 なぜか散歩はやめますとは言えない空気に戸惑いつつ、「ええ、もちろん」と頷く。

「では少しだけ歩いてまいりますわね」

「「「「ごゆっくり」」」」

(なにかあるの?)

 首を傾げつつ、コンラッドと二人で外に出た。