星降る夜に、あの日のキスをもう一度

 メロディーがすっかり眠ったのを確認すると、アンジェラはそっとベッドを抜けだした。部屋のデスクに新しい紙があるのを確認すると長い手紙を書き、矢じりを外した矢に結ぶ。

(うまくいきますように)

   ◆

「起きているのは旦那様とエドガーだけですか?」

 アンジェラがリビングに入ると、コンラッドとエドガーがどこから出して来たのかカードゲームに興じていた。

「ああ。シドニー達は先に休ませました」
「そうですか」

 コンラッドは顔の印象は戻したものの、髪は金色のままだ。相当メロディのお気に召したらしく、「パパ、お願い」と、熱心におねだりされていた。
 色々複雑な思いはあっても、メロディは彼を純粋に父親として慕っているのを感じる。同時にそれでいいのか悩んでいる節も感じられた。

(だからこそ金髪のほうが、より親子らしい感じがして嬉しかったのかもしれないわね)

 そうは思うものの、正直なところアンジェラとしては少し落ち着かない。
 顔はコンラッドなのに視線は暁の狼のように熱を帯びていて、アンジェラの肌がずっとチリチリしていた。懐かしくて胸が痛くて逃げだしたくて。でもそういうわけにはいかないから、なんでもない風に穏やかな笑みを浮かべる。

「エドガー。大事な話があるの。今二人になれるかしら」

「はい、先生」

「私は」

「旦那様はご遠慮ください」

 すみませんと頭を下げればコンラッドは立ち上がって、「このままこの部屋を使うといいですよ」と言ってドアに向かった。すれ違う時、
「その後、私とも話をしてもらえますか?」
 と囁かれ、小さく頷いた。