星降る夜に、あの日のキスをもう一度

 ナタリーはメロディに色々なことを話したらしい。
 この国では、夫以外の誰にも話さなかった過去をメロディに話したというのだ。予想はしていたけれど、思った以上にディープで少し驚く。それだけこの子に寄り添っていたのだろう。

「先生は、ナタリー先生と血が繋がってないんでしょう」

「ええ。そう」

 アンジェラは養女だ。姉アナベルとの血のつながりはない。
 幼いころ事故で、友人同士だったアナベルの両親とアンジェラの両親が亡くなった。天涯孤独になったアンジェラを引き取ってくれたのが、アナベルの祖父だ。
 法律的には、十四歳年上のアナベルはアンジェラの姉ではなくて義理の姪。

 小さすぎて覚えていなかったそれを、封じてもらっていた前世の記憶と共に思い出してしまった。自分がいなければ、一人娘だったアナベルは駆け落ちなんてせずに済んだと、今も悔やんでいる。それでも――

「お母さんになるの、いやじゃなかった? 血が、全然つながってないのに」

「全然。親子になれて嬉しかったわ」

「本当に?」

「ええ。もちろん。嫌だったことなんて、一度もないわ」

 それだけは、自信を持って言える。
 メロディはジッとアンジェラを見つめ、何か言おうとしたけれど、少しだけ微笑んでやがて眠りについた。