星降る夜に、あの日のキスをもう一度

『でもナタリー先生。アンジェラ先生はうちのパパのこと好きになってくれるかしら? 先生みたいにパパがかかし(・・・)に見えるなんてことはない?』

 他の女性ならその点心配はないけれど、ナタリーの母親だということを考えれば心配だ。そう考えるとナタリーがハッとしたように顔を上げ、難しい顔になってしまう。

『……どうしましょう。かかしかもしれないわ』

『やっぱり~』

『でも逆に言えば、メロディのパパがうちのママを好きになってくれるかも分からないのよね』

『えっと、その場合、私だけアンジェラ様の養子になります。絶対私が幸せにするから養子にしてって、死ぬ気でお願いします』

『あー、うん。ママの場合それも有りのような気がするけれど、さすがに旦那様――メロディのパパが泣くわよ?』

『うーん。そうでしょうか』

(むしろスッキリしてくれるんじゃないかしら)

 二人で友達のように、ああでもないこうでもないと計画を立てた。計画の時間を確保するために、鬼気迫る勢いで勉強の課題をこなしたくらいだ。目標があるときの集中力はすごくて、ある意味ナタリーの教師としての優秀さが分かる気がする。

『ねえ、先生。アンジェラ様ってどんな男性が好きなのかしら』

『そうねぇ。俳優さんだとレットとか、サイモンを素敵って言ってたかしら』

『えーっ! おじいちゃんばかりじゃないですか!』

『ちっちっち。それを言うならナイスミドルよ。……あっ! 思い出した。多分ママは金髪の男性が好きだと思うわ』

『金髪? 私みたいな?』

『そうね。もっと明るくてもいいかも。昔から金髪の男性を気にしていることがあったわ。無意識みたいだけど』

『でもパパの髪の色は黒ですよ』

(がっかり)

 とりあえずコンラッドとアンジェラがが顔を合わせざるを得ない状況を作ろうと考えていた時、幸か不幸かナタリーの妊娠がわかり、ひどいつわりで家庭教師を続けることが難しくなった。

『メロディ、これは好機(チャンス)だわ!』

 色々あったけど、結果的には二人を会わせることが出来た。とにかく会わせて、あとはメロディが二人のいいところをそれぞれに吹き込む「愛のキューピット計画」だったのだが、残念ながら今はそれどころではなかった――。