星降る夜に、あの日のキスをもう一度


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 長い歴史を持つゴルド家は、王国時代は王も輩出した由緒正しい血筋だが、話はエドガーの先祖が約三百年前に勇者として異世界に召喚され、魔王を封印したことにまでさかのぼる。

 最近その魔王の目覚める兆しがあったため、子孫である彼が、再び異世界に召喚される事態になった。そのことはアンジェラも、彼の母親から聞いていてすでに知っていた。

 今のアンジェラが生きる世界には、「異世界につながる扉やひずみ(・・・)」のようなものが数多(あまた)に存在している。昔で言う王侯貴族並みに魔力の高いものでなければ感知できないし、見ることが出来る者も稀ではあるけれど、異世界という概念は昔からあったのだ。

 勇者としてこの世界に召喚されたエドガーは、自分を呼び出した魔術師や護衛騎士と共に、呼び出しの根本的な人物がいるという城に向かうところだった。

「城までは馬で三日程度の距離だったんですけどね」

 召喚には色々な必要要素があるとかで、それだけの距離が必要だったらしい。

 丁寧に対応されて順当に進んでいたものの、城まであと少しというところで魔獣に襲われた。

「あの飛竜?」
「いえ、あれはまた別で」

 魔獣の奥に、エドガーを迎えに来たのとは別の魔術師がいた。
 騎士らが魔獣たちに気をとられている隙にその魔術師が何かしようとしているのに気付いたエドガーは、まっすぐそこに駆けて行ったのだが――

「俺をどこかに飛ばそうとしてたんですよね。むしろ近づいちゃダメだったんです」

(でしょうね)

 なぜ行こうとしたのかと突っ込みたかったけれど、経験不足だからとしか言いようがない。若さゆえの自信過剰もあっただろう。

「何か空間がゆがんだ感じに気づきました。ぐにゃッとつぶされそうな重圧と共にそれに取り込まれそうになる瞬間、とっさに力になるものを呼んでしまって……」

「……ああ、なるほど。そういうことなの」