「ああ、メロディ。大丈夫よ。むこうにはヴィクトリアがいて助けてくれるもの」
「でもそのあと、こんな大きな建物ごと、私たちを動かすんですよね?」
メロディは真剣な目をしてそう言うが、動かすという表現に、アンジェラが力ずくで建物を持ち上げようとする自分の姿が浮かび、少しだけ面白くなってくる。
「弓矢を召喚するのと変わらないわよ」
「でも最初の時は、弓矢でもお倒れになったわ! パパも何か言って! アン先生に無理しないでって。私はこの世界でも大丈夫だから。パパとアン先生と、シドニーとライラがいればいい。エドガー様だって、このままここにいたらいいんだわ!」
初めて会った時のように地団駄を踏みそうな勢いで話すメロディに、エドガーが「俺もかい?」と、面白そうに笑う。
「ええ、そう。エドガー様だって、もう家族みたいなものでしょう」
当たり前だと言うように頷くメロディに、自然と彼女以外の顔に笑みが浮かんだ。
「それもいいね。でも俺は、やることが終わったらイリスに帰るんだ。メロディが向こうで待っててくれたら会いに行こうと思ってたんだけど」
そうか、ここにいるのか、残念だ――などとうそぶくエドガーに、メロディが「そうなの?」と考えるそぶりになる。「アデル様も一緒?」
「それがお望みであれば、もちろん」
優雅に一礼した後ばちんとウインクをして了承するエドガーに、メロディは少し悩んだ後に渋々頷いた。
「あのね、アン先生」
まだアンジェラのドレスを握ったまま離すことが出来ないメロディは、じっと訴えるようにアンジェラを見上げた。
「アン先生は先生じゃなくなっても、私の近くにいてくれますか?」
まだ婚約のことを言っていない為、彼女の中ではアンジェラはまだ家庭教師代理なのだと気づき、「ええ、いるわ」と頷いた。
「本当? 私ね、アンジェラ様に会ったらお願いしたいことがあったの。今どうしても言いたいの」
「ええ、何でも言ってみて?」
アンジェラに聞けることなら、それでメロディが落ち着くなら。そう思ってしっかり頷いて見せると、メロディは少しの間自分の身に着けているものを見回した後、するっとリボンを解いてアンジェラに差し出した。
「ナタリー先生に話を聞いてから、アンジェラ様のことが大好きでした。実際に会って、もっともっと大好きになりました。アンジェラ様、私のママになってください」
「でもそのあと、こんな大きな建物ごと、私たちを動かすんですよね?」
メロディは真剣な目をしてそう言うが、動かすという表現に、アンジェラが力ずくで建物を持ち上げようとする自分の姿が浮かび、少しだけ面白くなってくる。
「弓矢を召喚するのと変わらないわよ」
「でも最初の時は、弓矢でもお倒れになったわ! パパも何か言って! アン先生に無理しないでって。私はこの世界でも大丈夫だから。パパとアン先生と、シドニーとライラがいればいい。エドガー様だって、このままここにいたらいいんだわ!」
初めて会った時のように地団駄を踏みそうな勢いで話すメロディに、エドガーが「俺もかい?」と、面白そうに笑う。
「ええ、そう。エドガー様だって、もう家族みたいなものでしょう」
当たり前だと言うように頷くメロディに、自然と彼女以外の顔に笑みが浮かんだ。
「それもいいね。でも俺は、やることが終わったらイリスに帰るんだ。メロディが向こうで待っててくれたら会いに行こうと思ってたんだけど」
そうか、ここにいるのか、残念だ――などとうそぶくエドガーに、メロディが「そうなの?」と考えるそぶりになる。「アデル様も一緒?」
「それがお望みであれば、もちろん」
優雅に一礼した後ばちんとウインクをして了承するエドガーに、メロディは少し悩んだ後に渋々頷いた。
「あのね、アン先生」
まだアンジェラのドレスを握ったまま離すことが出来ないメロディは、じっと訴えるようにアンジェラを見上げた。
「アン先生は先生じゃなくなっても、私の近くにいてくれますか?」
まだ婚約のことを言っていない為、彼女の中ではアンジェラはまだ家庭教師代理なのだと気づき、「ええ、いるわ」と頷いた。
「本当? 私ね、アンジェラ様に会ったらお願いしたいことがあったの。今どうしても言いたいの」
「ええ、何でも言ってみて?」
アンジェラに聞けることなら、それでメロディが落ち着くなら。そう思ってしっかり頷いて見せると、メロディは少しの間自分の身に着けているものを見回した後、するっとリボンを解いてアンジェラに差し出した。
「ナタリー先生に話を聞いてから、アンジェラ様のことが大好きでした。実際に会って、もっともっと大好きになりました。アンジェラ様、私のママになってください」



