不自由マリッジ

「私、好きでもない人と結婚なんてできません」

「それなら僕を好きになればいいじゃないか。僕はね、許嫁だから小夜ちゃんと結婚するんじゃないよ。小夜ちゃんのことが好きなんだ」

蓮司さんの手が私の頰を撫でる。怖い。嫌だ。体がびくりと震えた。蓮司さんは囁くように言う。

「ねぇ、小夜ちゃん。僕と結婚したら働かなくていいんだよ。僕たちの子どももきっと可愛いと思うし。僕、君に似た女の子がほしいな。結婚するの、楽しみだね」

私の体は自由だ。誰かに監視されてるわけでもない。でも、蓮司さんと結婚するために首に透明なリボンを付けられている。そのリボンは鎖みたいに外れない。

「愛してるよ」

恋愛ドラマではありきたりな愛の言葉が、何よりも重く感じた。