雪音だけのライブハウス(リメイク)

<2年前の春(愛祈琉:18歳)>

愛祈琉
「…できた!新曲!修児くん喜んでくれるかな?今度お見舞いに行ったら…。」

私は苦手だった勉強をがんばり、この春から大学生になった。

受験が終わり、再開したライブ配信の同接数はどんどん増えていった。

SNSに公開した新曲の人気も上々。

愛祈琉
「私、修児くんが元気になる歌をたくさん歌うから、待っててね。」

修児くんは2年前に病気を患い、仕事を辞めて実家に戻った。

私はそんな修児くんを元気づけたくて音楽活動に励み、再び軌道に乗った。

だが、私はこの頃から、ガムシャラに歌を楽しんでいた頃には見えなかった「異変」に気づき始めた。

ある日のライブ配信中、

愛祈琉
(痛ッ!今の音は…何…?)

流れるコメント欄に一瞬、黒ずんだトゲが表示される音が見えた。

心にグサリと刺さる、画面越しのトゲ。