最後まで読まないで

夏祭りで狐のお面を買ってもらった。嬉しくて帰り道もずっと被ったままでいた。「似合う?」と父に聞くと、「ああ、すごく似合ってるよ」と優しく笑ってくれた。家に着き、お面を外そうとした。しかし、紐を解いてもお面が顔から離れない。まるで皮膚とくっついてしまったように。「お父さん、取れないよ!」と泣きつくと、父は無表情のまま言った。「やっと、本当の顔になれたね」