最後まで読まないで

冬の朝。教室の窓ガラスは結露で真っ白に曇っている。誰もいないのをいいことに、私は指でガラスに相合い傘を描き、自分と好きな人の名前を書いた。恥ずかしくなり、すぐに袖で綺麗に拭き取る。放課後、日直の仕事で教室に一人残った。冷え込んできた窓ガラスが再び白く曇り始める。すると、朝私が消したはずの相合い傘が浮かび上がり、私の名前の部分だけが外側から手のひらでベッタリと拭き取られていた。