一度も会ったことのない親戚のお葬式に参列した。棺の中で眠っているのは、顔に大きな傷がある見知らぬおじさんだった。母は「遠い親戚なのよ」と言いながら、ハンカチで嘘泣きをしている。数日後、リビングでテレビを見ていると、懸賞金一千万円がかけられた指名手配犯の顔写真が映し出された。間違いなく、あの棺のおじさんだ。台所では、母がご機嫌な鼻歌を歌いながら夕飯を作っている。