塾が終わり、夜遅くに建物の外に出た。いつもはお母さんが車で迎えに来てくれるのだが、今日はまだ来ていない。しばらく待っていると、お母さんの白い車が近づいてきた。私はほっとして、助手席のドアを開けて乗り込んだ。お母さん、遅いよ、と言いながら隣を見た。しかし、運転席に座っていたのは、全く知らない見知らぬ男だった。男は無表情のまま、一言も喋らずに車の鍵を閉め、アクセルを強く踏み込んだ。