最後まで読まないで

体育の授業中、先生の「前ならえ」の号令で全員が縦に並ぶ。僕は背が高いから列の一番後ろだ。先頭から順に腕を伸ばし、一番後ろの僕だけは両手を腰に当てる。これなら前の人との間隔もバッチリだ。みんな綺麗に並べている。「よし、そのまま動くなよ」と先生が列を確認して歩いてくる。その時、僕の背中をトントンと叩く手がした。「もう少し前に行って」と囁く声。僕の後ろには体育館の壁しかないのに。