暑い夏の夜、扇風機を首振りにして寝ていた。ウィーンという規則正しい音に合わせて、風が顔に当たる。心地よい風にウトウトしていると、ふと違和感を覚えた。風が当たる間隔が一定ではないのだ。まるで扇風機が誰かの前で長く止まり、私の前ではすぐに通り過ぎているかのように。私は薄目を開けて、部屋の隅を見た。そこには、扇風機の風を独り占めしている、見知らぬ女が立っていた。